LED集魚灯

2013年12月

今まで集魚灯として使用していたハロゲンランプです。

このランプが切れたのでこの際にLED集魚灯に改造しようと思います。

 

電源にはバッテリーを使用します。この方が静かでいいと思います。

LEDは6WフルカラーRGBLEDです。

単色では2Wです。

8個使用する予定です。

 

色や明るさを可変して魚種の違いによる最適な色調を探し出してみたいと思っています。

 

色を可変するには可変定電流ドライバーを使用する方法があります。

これを使えば無段階で色調を可変できますが価格が高くRGBそれぞれに1台が必要で最低3台必要になり、電源が12ボルトの場合1台でLEDが2個接続でき回路の工夫で4個接続できるとして、最低6台必要になります。

したがって可変定電流ドライバーだけで付属回路部品を除いて6000円ぐらいになります。

 

そこでスイッチを4個使用し16段階(消灯を1段階に含む)の可変とします。

集魚灯としては16段階の可変であれば充分だと思います。

それに色調を覚えるのにボリュームの位置で覚えるよりスイッチのON/OFFをデジタルで覚える方が簡単なので色調の再現にはこの方式の方がいいと思われます。

たとえばイカの時は青緑がいいとなればその色を再現するのにはデジタルの方がやりやすいと思います。

 

仕様:

電源:     12V~13.8V(MAX15V)

         バッテリー使用

LED:    6WフルカラーRGBLED    8個

パワー:    48W フル (実用45W)

照射角:    120°

色調可変:   トグルスイッチ4個×3+6個

照度可変:   LED8個/4個

 

ガラスのカバー部を開いたら反射板があります。

反射板を外すとこのようになっています。

 

3個のねじ穴を利用して取り付けたいと思います。

2014年1月

LED取り付け板を加工しました。アルミ板を使うのは加工しやすいのと、放熱の為です。厚さ2mmです。パワーLEDは放熱が一番大事です。紙に製図してからポンチでアルミ板に穴あけ点を打ち、写した為ずれた模様で、穴あけ精度が少々悪くなっています。

パネルを取り付けるためのアングルを製作しました。

t2、幅20mmのアルミバーで製作しました。

アングルを取り付けました。

 

LEDなので反射板は必要ないのですが、綺麗なのと放熱効果を期待してそのまま使います。

このようにパネルをつけます。

LEDの裏にシリコングリースを塗り、プラスチックビスでLEDを取り付けました。

コントローラーはプラスチックケースに穴をあけ、スイッチとパイロットランプのLEDランプを取り付けました。

 

ケースの底側にも放熱の為の穴をあけました。

 

ケースのサイドにも放熱用の穴をあけております。

 

中央の穴はケーブルを通すための穴です。

反対側にも同じ穴があります。

 

雨や雪の中でも使うこともあり、常に海水がかかると思われるので、防水(厳密には防滴)の為にPPケースに入れます。

錆、故障対策には絶対必要です。

これはプラスチック部品入れで、加工して使用します。

 

仕切り板を加工してここにコントロールボックスが収まるようにしました。

ケーブルを通す穴には防水コネクターを取り付け、ケーブル部分から水が入り込まないようにしています。

 

こんな感じで収めます。

基板には抵抗とダイオードが実装されています。

ダイオードには電圧降下が小さいショットキーバリアーダイオードを使用しています。

 

スイッチと基板とを配線しました。

ケーブルも配線し、コントローラーを防水(防滴)ボックスに収めました。

蓋をするとこんな感じになります。

通常の上からの雨、雪、海水は入りません。

これで長く使えるでしょう。

コントローラーに銘板を貼り付けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

POWER: パイロットランプ

ON:    メインスイッチ

ON(RGB):R,G,Bの各色ONスイッチ

1248:  レベルスイッチ

H/L:   LEDの8個/4個切り替え

防水ボックスに入れた状態。

バッテリーのターミナル用クリップも配線しました。

 

LED実装パネルも取り付け配線しました。

 

ガードを取り付けました。

 

全体はこんな感じ。

 

これで製作は完了しました。

 

照射テストには板に白いA4コピー用紙を置いて色調を確認します。

 

黄 (赤+緑)

マゼンタ (赤+青)

 

シアン (緑+青)

白 (赤+緑+青)

オレンジ

ピンク

白 (青白い色)

写真ではなかなか見えたような色を表現できません。

実際はきれいな白が発光しているのに写真に撮ると、その通りに表現できません。

しかしながら実際には結構きれいな色を発光しております。

 

現場ではまず最初に白色光である程度魚を集め、その後に色を変え魚の反応を見てみる予定です。

さて違いが出るのでしょうか。

 

本当にこんな物を作っては見たが、はたして意味があるのでしょうか?!!




大改造 2015年1月

今までのLED集魚灯を使ってみて、紫外線が足りないと感じたので紫(UV)LEDを追加することにしました。

まだ完全な紫外線LEDが無いので紫色で我慢することにします。

1WタイプLEDを3個追加する予定です。

今でも放熱能力が足りないぐらいなのに3W分も追加すると完全にアウトになるので、大改造して作り直すことにしました。

50×46.2×21サイズの放熱器を4個使い放熱力を高める予定です。

右上の平らな面にLEDを取り付ける予定です。


順に加工状況をUPします。

放熱器を2個連結しました。 

15×15のLアングルを使い放熱器4個を一体化しました。

このLアングルを使いケースに取り付けたり、収束レンズを取り付けたりします。


この面にLEDを取り付ける予定です。

ケースの中にあるものを全て外しました。


放熱器だけではケースの中に放熱するだけなので、熱をケースに伝え外気に速やかに放出するようにします。


このような金具を作り、ケースに取り付けます。

強度的にはここまでする必要はありませんが、熱経路を太くするために可能な限り厚板を使用し板の数も増やしました。


このように放熱器を上に載せます。

横から見るとこんな感じです。

金具をケースに収めるとこんな感じ。

その状態で放熱器を載せるとこのようになります。

金具をケースに取り付けました。


反射板がある方が綺麗なので一緒に取り付けました。


放熱器にLED取り付け用のねじ穴をあけました。

今回は1個1個直接ケガキ、ポンチを打ち穴加工しました。

LEDを実装しました。

中央の3個の黒いのは紫(UV)LEDです。

裏側から見た画です。

LEDの取り付けネジ穴は放熱器のフィンをうまいこと避けています。


LED間の配線をしました。


放熱器を付けたけれど熱をケース内部に放熱するだけなのでファンを取り付け、その熱を空気を強制的に移動させることによりケースの壁全体に当てて素早く放熱させることにしました。

元々このケースはハロゲンランプ用の物なので放熱は考えられていませんのでこのような細工が必要です。



配線をしました。


紫(UV)LEDの点灯時の色です。

このLEDの波長は、405nmで紫外線とは言い難い波長です。

RGBを最低のレベルスイッチで白色点灯させた時の状態です。


カメラがLEDの明るさに合っているが、光が弱いので周りが暗いけれど写っています。


RGBを白色でフル点灯させた状態です。


カメラがLEDの明るさに合っているので周りが真っ暗に写っています。


明るすぎてとても真正面からは写せません。

コントローラーのスイッチの一部を「UV」としました。

コントローラーには放熱用の穴が開いていますが、それでは間に合わないので強制通風の為に40mm角のファンを付けました。


LEDの照射角は120度なので実際に使用して見ると光が拡散してしまい強い光とはなりません。

集魚効果が得られないので15度の収束レンズを付けました。


真正面から見るとこうなります。

紫(UV)を点灯させました。

光は収束されています。


全色最大点灯させ白色コピー用紙に当てた状態です。

紙が近いので色がまだらに見えますが、光は収束されています。


横から撮った写真で、レンズの無い時の写真と比べてみると眩しい感じがしないことから光が収束されていることが判ります。

以上でLED集魚灯の改造は一応完了しました。

後のことは使ってみないと分かりませんが、場合によっては再改造があるかもしれません。

紫(UV)LEDのもっと波長の短い本格的な紫外線LEDが出来たら使って見たいです。


大改造後の仕様:


電源:    10V~13.8V(MAX15V)

        バッテリー使用

LED:   6WフルカラーRGB LED   8個

       1W紫(UV)LED       3個

パワー:   51W フル (実用48W)

照射角:   15°(レンズ使用)(LED本体は120°)

色調可変:  トグルスイッチ4個×3+3

       紫(UV)用×1




2015年3月29日

今までのLED集魚灯を使ってみて白熱灯の投光器が集魚灯としては最強だと思いました。

しかしながら白熱灯は効率が悪すぎます。

照明には関係の無い大量の熱や赤外線が出て、RGBの全可視光線、紫外線が出ています。

効率は悪いけれど紫外線も出ていることから集魚灯としては有効なのだと思います。


赤色照明と青色照明を比べてみて、イカが青色照明を好むことからイカ釣り漁船の集魚灯に青色LEDが使われ始めましたが、あまり良い結果が得られていないようです。

青色を好むからと言って集魚灯として青色単色でいいかとは言えないのではないかと思われる。


サンマ漁でもLED白色照明が使われているようですが、白色のみではこれもあまり良い結果が得られていないようです。


誘蛾灯では紫外線が多く出ている照明を使い、蛾や虫を誘い高圧電気で殺虫しています。

また白色LED照明には虫が寄ってきません。

白色LEDは普通、青色LEDに黄色いフィルターを被せ白色にしていますので紫外線は出ません。

このことから虫は紫外線に寄ってくるのだと思います。


以上のことから魚も虫と同じように紫外線に寄って来るのではないかと思われます。

ただ紫外線のみでいいかとは別問題です。


今までのLED集魚灯を使ってみた感じなどを参考にして考察して見ると、赤外線や赤色は集魚灯には必要が無い感じがします。

これらの光線は水中では早く減衰し深くまで到達しません。


従って緑色、青色、紫外線が集魚灯には必要であると思います。

只どれがどの程度の比率で必要かはまだ分かりません。


今回の大改造で使用した紫(UV)LEDの波長は405nmで一般に紫外線と言われる波長380nm以下の光線は出ませんので、どれほどの効果があるか判りません。

今後検証していきたいと思います。


LED集魚灯を製作してみてLEDは熱に弱いので放熱には充分気を付けなければならないと感じました。

特に夏にも使う時には充分考慮する必要があります。


市販のLED投光器には27Wとうたいながら、12Vのバッテリーを使って1.5Aしか消費していない物があるようです。

通常なら3A消費するはずなので放熱が悪くて半分の能力しか出せていないのではないかと推測されます。



今後効率の良いLEDや波長380nm以下の紫外線LEDの出現が望まれます。